M&Aの失敗事例・要因まとめ!買収側と売却側に分けてわかりやすく解説!

M&Aを検討するにあたっては、その失敗事例を知っておくことも大いに参考となるでしょう。本コラムでは、M&Aの失敗事例を紹介するとともに、買収側と売却側に分けて失敗の要因を分析します。M&Aを成功させるための対処法も掲載していますので、参考にしてください。

目次

  1. M&Aの失敗とは
  2. M&Aの成功・失敗確率
  3. M&A失敗事例・大企業編
  4. M&A失敗事例・中小企業編
  5. M&A売却側の失敗要因
  6. M&A買収側の失敗要因
  7. M&Aで失敗しないための対処法
  8. M&A失敗事例まとめ

M&Aの失敗とは

M&Aの失敗といっても、その状況は1種類だけではありません。主なM&Aの失敗状況としては、以下のようなものがあります。

  • 企業イメージの悪化
  • 投資利益率が低い
  • のれんの減損損失発生
  • M&A後の粉飾決算や簿外債務の発覚

それぞれ、どのような点がM&Aの失敗なのか、内容を説明します。

企業イメージの悪化

M&Aの売却側が非上場企業の場合、上場企業よりも社内統制が行き届いておらず、労使問題やハラスメント問題、コンプライアンス違反、訴訟リスクなどを抱えている場合があります。

それらの内容と程度を十分に把握せずにM&Aを実施した場合、M&A後にそれらの問題が表面化することで、買収側の企業イメージも下げてしまうことがあるでしょう。また、社会環境や生活習慣などが異なる国外企業とのM&Aの場合も、注意が必要です。

投資利益率が低い

M&Aの実施を決める際、M&A後の収益がどうなるかを想定します。シナジー効果の創出を見込み、今までよりも収益が向上すると想定するのが一般的です。しかし、何らかの要因によりシナジー効果が発現しなければ、収益は伸びません。

そうなると買収側としては投資利益率が低いことになります。M&Aへの投資額回収に時間を要するか、最悪では回収しきれない事態となり、この場合、M&Aは失敗です。

のれんの減損損失発生

M&Aでののれんとは、買収額から売却側企業の時価純資産額を引算した金額のことです。つまり、のれんとは、売却側企業の無形資産に対する評価額を意味します。無形資産とは、技術力や営業ネットワーク、ブランド力など形のない資産のことです。

のれんは、税法上、最大20年間で減価償却します。しかし、その過程で事業計画どおりの収益が上がらなかった場合、のれんの評価を下げる会計処理をしなければなりません。これが、のれんの減損損失です。多くの事例では多額の特別損失を計上することになり、M&Aは失敗となります。

以下の動画では、M&Aののれんについて解説しています。ご参考までご覧ください。

M&A後の粉飾決算や簿外債務の発覚

M&A後、売却側企業において粉飾決算や簿外債務が発覚した場合、その内容と程度によっては、買収側の経営に大きなダメージを与えるものとなるため、そのM&Aは失敗といわざるを得ません。

粉飾決算は売却側が故意に行うものであり、それを見破るべく行う会計処理への調査が必要です。一方、簿外債務は売却側も認識していないケースがあり、より入念な財務面の調査が欠かせません。

M&Aの成功・失敗確率

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの「2020年M&Aの実態調査」によると、過去5年間の国内M&Aの成功・失敗に対する回答は下記のとおりです。なお、この調査は、単体売上高300億円以上の企業277社へのアンケート結果になります。

  • 期待を上回る成果:9%
  • 期待どおりの成果:63%
  • 期待した成果ではなかった:24%
  • かなり期待を下回る成果:4%

また、過去5年間の海外M&Aの成功・失敗の回答は以下のとおりです。

  • 期待を上回る成果:7%
  • 期待どおりの成果:54%
  • 期待した成果ではなかった:36%
  • かなり期待を下回る成果:3%

このアンケート結果を成功・失敗の二択で表すと以下のようになります。

  • 国内M&Aの成功確率:72%
  • 国内M&Aの失敗確率:28%
  • 海外M&Aの成功確率:61%
  • 海外M&Aの失敗確率:39%

この確率が全てのM&Aに当てはまるわけではありませんが、国内企業同士のM&Aよりも海外企業とのM&Aの方が成功難易度が高いといえるでしょう。

また、国内M&Aでは約3割、海外M&Aでは約4割が失敗しており、そうならないために失敗要因を把握し、成功させるための対処法を取ることが肝要です。

参照元:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「2020年M&Aの実態調査」

M&A失敗事例・大企業編

ここでは、実際のM&A失敗事例を確認します。取りあげるのは、2000(平成12)年以降に大企業が行ったM&Aで、失敗とされている事例です。大企業といえども、成功できなかったM&A事例が多数あるのがわかります。

  • 日本郵政のM&A失敗事例
  • LIXILのM&A失敗事例
  • ディー・エヌ・エーのM&A失敗事例
  • マイクロソフトのM&A失敗事例
  • 丸紅のM&A失敗事例
  • グリーのM&A失敗事例
  • キリンホールディングスのM&A失敗事例
  • 資生堂のM&A失敗事例
  • パナソニックのM&A失敗事例
  • 第一三共のM&A失敗事例
  • HOYAのM&A失敗事例
  • 東芝のM&A失敗事例
  • セブン&アイ・ホールディングスのM&A失敗事例
  • 新生銀行のM&A失敗事例
  • テスコのM&A失敗事例
  • ウォルマートのM&A失敗事例
  • 日立製作所のM&A失敗事例
  • 古河電気工業のM&A事例
  • NTTコミュニケーションズのM&A失敗事例
  • NTTドコモのM&A失敗事例

それぞれ、どのようなM&A失敗事例なのか、内容を確認しましょう。

日本郵政のM&A失敗事例

2015(平成27)年5月、日本郵政は、オーストラリアの物流大手企業グループであるトール・ホールディングスを約6,200億円で買収し子会社化しました。日本郵政としては、海外での物流事業参入を狙ってのM&Aです。

しかし、現地に日本から経営陣を送るといった経営へのテコ入れを怠ったせいか、2年後の2017(平成29)年には、のれんの減損損失で約4,000億円の特別損失を計上する事態となり、M&Aは失敗に終わりました。

LIXILのM&A失敗事例

2014(平成26)年、LIXILは、ルクセンブルクのGROHE Groupの全株式を約4,000億円で取得し完全子会社化しました。GROHE Groupは国際的に水栓金具事業を行っている企業グループです。GROHE Groupの子会社には、中国で水栓金具・水まわり事業を行うドイツの上場企業Joyouがあります。

2015年、そのJoyouで不正会計が行われていることが明るみに出た影響で、LIXILでは債務保証損失やのれんの減損損失などで、約600億円の特別損失を計上する事態となりました。

ディー・エヌ・エーのM&A失敗事例

2014年10月、ディー・エヌ・エーは、キュレーションサイト(情報まとめサイト)を運営するペロリとiemoの2社を50億円で買収し子会社化しました。

両社合わせて10のキュレーションサイトを運営していましたが、2016(平成28)年、その中の医療・ヘルスケア情報を扱うキュレーションサイトの記事に問題が発覚します。

問題の内容は、外部記事の盗用(無断コピー)や簡易なリライトのみでの掲載などです。これが発端となり、全キュレーションサイトを閉鎖する事態に至っています。

マイクロソフトのM&A失敗事例

2014年、アメリカのマイクロソフトが、フィンランドのノキアから携帯電話端末事業を約72億ドル(当時の為替レートで約1兆808億円)で買収しました。

しかし、買収した携帯電話端末事業の業績は伸び悩みます。結局、翌2015年には約76億ドル(当時の為替レートで約1兆1,408億円)ののれん減損損失を計上する事態となり、M&Aは失敗に終わりました。

丸紅のM&A失敗事例

2012(平成24)年、丸紅は、アメリカの穀物集荷・販売企業大手のガビロンを約2,800憶円で買収しました。中国を念頭に、アジアおよびアメリカでの穀物事業の拡大を狙ってのM&Aです。

しかし、中国での穀物ビジネス寡占化を嫌った中国政府から、中国内での両社の協業が禁じられます。そのために穀物事業の業績は低下し、丸紅はのれん1,000憶円のうち半分の500億円ののれん減損損失計上となりました。

グリーのM&A失敗事例

2012年10月、グリーは、スマートフォン向けゲームの開発・運営を行うポケラボを、約138億円で買収し完全子会社化しました。しかし、想定したようなヒットタイトルが出ず業績が伸びなかったため、グリーは2015年6月期決算でのれんの減損損失93億円を計上しています。

ポケラボは当時設立5年で売上高5億円でした。のれんが高過ぎたために、減損損失も巨額になってしまったM&A失敗事例です。

キリンホールディングスのM&A失敗事例

2011(平成23)年、キリンホールディングスは、ブラジルのビール販売大手であるスキンカリオールの全株式を約3,000億円で買収し完全子会社化しました。当時、10%程度の年間成長速度であった、ブラジル市場の伸びに期待したM&Aです。

しかし、予想に反してブラジルの景気は悪化し、ベルギーのビール会社との間で起こった価格競争に敗れ業績は低下してしまいました。その結果、キリンホールディングスは、2015年決算でのれんの減損損失1,100億円を計上しています。

資生堂のM&A失敗事例

2010(平成22)年、資生堂は、アメリカの自然派化粧品メーカーであるベアエッセンシャルを約1,800億円で買収し子会社化しました。当時、自然派化粧品は成長市場と見込まれており、同時にアメリカを中心にグローバル市場へ進出する目的のM&Aです。

しかし、成長市場である自然派化粧品分野には参入メーカーが殺到しました。その競争の中、ベアエッセンシャルの業績は低迷してしまいます。資生堂は、2013(平成25)年と2017年にのれんの減損損失処理として合計約900億円を計上しました。これは、のれんとほぼ同額です。

パナソニックのM&A失敗事例

2009(平成21)年から2010年にかけ、パナソニック(現パナソニック ホールディングス)は、TOB(株式公開買付け)と株式交換を用いて三洋電機を完全子会社化しました。買収資金は約6,600億円、のれん計上額は5,180億円です。

しかし、その後、三洋電機の主力事業であるリチウムイオン電池事業が海外企業との競争、円高などの影響で低迷してしまいます。その結果、パナソニックは、2012年にのれんの減損損失として約2,500憶円を計上することになりました。

第一三共のM&A失敗事例

2008(平成20)年、第一三共は、インドのジェネリック医薬品製造販売会社であるランバクシー・ラボラトリーズを約4,900憶円を投じて買収しました。ところが、ランバクシー・ラボラトリーズの工場における生産・品質管理問題が発覚します。

これによりアメリカでは、FDA(食品医薬品局)によって輸入禁止措置が取られ、ランバクシー・ラボラトリーズの業績・株価ともに暴落しました。そして第一三共は、2009年の決算で、のれんの減損損失3,595億円を計上しています。

HOYAのM&A失敗事例

2007(平成19)年、HOYAは、約1,000億円でカメラ・医療機器メーカーであるペンタックスを買収しました。その後、合併をめぐってペンタックス経営陣との間で対立が生じたものの、最終的には吸収合併しています。

しかし、そのような経緯があったせいか業績は伸び悩み、2009年にHOYAは、のれんの減損損失として約304億円を計上しました。さらに2011年には、デジタルカメラ事業をリコーに売却し事業から撤退しています。

東芝のM&A失敗事例

2006(平成18)年、東芝は、アメリカで原発建設や燃料関連事業を行うウェスチングハウスを約6,600億円を投じて買収しました。しかし、2011年の東日本大震災に伴う原発事故を契機に、原子力発電への不安が増幅され事業は停滞します。

また、ウェスチングハウスにおける不正会計問題も発覚し、最終的に東芝は2,600億円ののれん減損損失が生じる事態となったのです。M&Aは大失敗でした。

セブン&アイ・ホールディングスのM&A失敗事例

2005(平成17)年12月、セブン&アイ・ホールディングスは、野村プリンシパル・ファイナンスの株式65%を約1,300億円で取得し子会社化しました。さらに株式交換も実施して最終的に完全子会社化しています。M&Aへの累計投資額は約2,300億円です。

しかしながら、野村プリンシパル・ファイナンスの業績は上がりませんでした。セブン&アイ・ホールディングスは、2010年の決算でのれんの減損損失として670億円を計上しています。

新生銀行のM&A失敗事例

2004(平成16)年9月、新生銀行は、信販会社であるアプラスの第三者割当増資を引き受け、350億円出資し同社の株式67%を取得して子会社化しました。また、UFJ銀行(当時)が所持するアプラスの優先株も300億円で取得し、その後も株式取得を継続しています。

そんな中、アプラスに対し過払金訴訟が起こされ、業績は悪化に転じました。その結果、新生銀行は2007年の決算で、のれんおよびその他の無形資産の減損損失として約1,010億円を計上する事態となっています。

テスコのM&A失敗事例

2003(平成15)年7月、イギリスでスーパーマーケット事業を展開する大手のテスコは、日本のシートゥーネットワークを約300億円で買収しています。シートゥーネットワークは、中堅スーパーマーケットである、つるかめランドを展開していました。

シートゥーネットワークは社名をテスコジャパンと変えましたが業績は上がらず、2011年にテスコは撤退します。

撤退の際、全店舗と全従業員を引き継ぐことを条件に、テスコジャパンの株式50%を1円でイオンに売却しています。テスコジャパンは社名をイオンエブリと変え、その後、イオンの完全子会社になりました。

ウォルマートのM&A失敗事例

アメリカの小売業大手であるウォルマートは、日本の西友に対し、2002(平成14)年の資本提携を皮切りに出資・株式取得を続け、2007年には完全子会社化しました。完全子会社化までの投資額は2,470億円超とされています。

出資を継続したのは西友の業績不振が理由です。ただし、2002年の時点で全株式を取得(完全子会社化)していれば、投資額は1,000億円程度で賄えたといわれており、ウォルマートにとっては高い投資額となってしまいました。

日立製作所のM&A失敗事例

2002年12月、日立製作所は、アメリカのパソコンメーカーIBMからハードディスク事業を20億ドル(当時の為替レートで約2,440億円)で買収しました。しかし、その後、ハードディスクは低価格化時代を迎えます。

そのため、日立製作所は9年間にわたって年間100億円ほどの事業赤字だったようです。そして、2011年、ハードディスク事業はアメリカのウェスタン・デジタルに約48億ドル(当時の為替レートで約3,831億円)で売却されました。

古河電気工業のM&A事例

2001(平成13)年7月、古河電気工業は、他の2社と共同でアメリカのルーセント・テクノロジーの光ファイバー・ケーブル事業部門である「オプティカル・ファイバ・ソリューションズ」を買収しました。古河電気工業の投資額は18億7,500万ドル(当時の為替レートで約2,334憶円)です。

しかし、その後、ITバブルがはじけます。古河電気工業は、2004年3月の決算でのれんの減損損失も含めて約1,600億円の特別損失を計上しました。

NTTコミュニケーションズのM&A失敗事例

2000(平成12)年、NTTコミュニケーションズは、アメリカでITソリューションプロバイダーを行うベリオを約6,000億円を投じて買収しました。全世界市場進出に先駆けて、アメリカの情報通信市場に参入することが目的のM&Aです。

しかし、ベリオの業績が全く振るわず、2001年決算でのれんの減損損失として約5,000億円を計上しています。

NTTドコモのM&A失敗事例

2000年、NTTドコモは、イギリスのハチソン3GUKに1,900億円、オランダのKPNモバイルに4,000億円をそれぞれ出資しました。さらに2001年には、アメリカの携帯電話キャリアであるAT&Tワイヤレスに1兆2,000億円出資しています。

ヨーロッパとアメリカの携帯電話事業に参入することが目的のM&Aでした。しかし、思ったような投資効果は得られず、2005年に全て撤退しています。損失額は1兆5,000億円超でした。

M&A失敗事例・中小企業編

ここでは、中小企業が当事者となったM&Aでの失敗事例を紹介します。中小企業がM&Aを成功できなかった事例は以下のとおりです。

  • 従業員の反発によるM&A失敗事例
  • 情報漏えいによるM&A失敗事例
  • 着手の遅れによるM&A失敗事例
  • 経営者一族の内紛によるM&A失敗事例
  • 売却側の売り惜しみによるM&A失敗事例
  • 不誠実な態度によるM&A失敗事例

それぞれ、どのようなM&A失敗事例なのか、内容を確認しましょう。

従業員の反発によるM&A失敗事例

中小企業のM&Aでは、売却側は経営者が引退または退任するケースが多いです。つまり、売却側従業員にとっては、経営者が代わることを意味します。中小企業の場合、経営者の人間性に惹かれて会社に帰属意識を持っている従業員もいるでしょう。

そのような従業員が多くいると、経営者の交代に反発心を持ち大量離職につながるかもしれません。買収側が人材の獲得を目的としているM&Aでは、そのような事態になればM&Aは成立しません。

情報漏えいによるM&A失敗事例

中小企業では、ガバナンスが十分に行き届いていないことが少なくありません。それがM&Aの情報漏えいへとつながり、M&Aが失敗に終わることもあります。

よくあるのが、基本合意書の取り交わしを最終契約書と同等のものであると誤解し、基本合意の段階で経営者が従業員にM&Aの話をしてしまい、そこから外部に情報が漏れるケースです。最終契約書締結前の情報漏えいに対し、買収側は契約を破談にするでしょう。

着手の遅れによるM&A失敗事例

売却側が業績不振を理由にM&Aを実施する場合、早めの着手をしなければM&Aが成功せずに終わる事例が多数あります。自力での業績回復にこだわり過ぎると、それが成功すればいいですが、成功しなかった場合、業績悪化はどんどん進んでしまうでしょう。

業績悪化が進んだ状態ではM&Aの買収側は見つかりにくく、M&Aは実現せずにそのまま廃業に追い込まれてしまうことがあります。

経営者一族の内紛によるM&A失敗事例

中小企業は同族会社であることも多いです。同族経営の場合、役員になっている家族や親類間で意見が割れて内紛に発展することもあります。

一例として、M&Aの実施に賛成する同族役員と反対する同族役員がいて意見の調整がつかない場合、どちらかの役員が部下を多数引き連れて離脱してしまうことがあるでしょう。

これはM&Aの売却側でも買収側でも、どちらの立場でも起こり得ることです。そして、そのような事態になればM&Aに臨むような状況ではなく、断念するしかありません。

売却側の売り惜しみによるM&A失敗事例

経営歴の長いオーナー経営者ほど、自社への愛着心は強いものがあるでしょう。そのような場合、M&Aで「売り惜しみ」の感情が邪魔になることがあります。後継者不在の中小企業では、経営者が引退すれば廃業せざるを得ません。

そうならないためにM&Aで事業承継する方法があります。しかし、売却側経営者の気持ちの中に売り惜しみの感情があると、積極的なM&A交渉ができません。それを察知した買収側は、M&A交渉を打ち切ってしまうでしょう。

不誠実な態度によるM&A失敗事例

M&Aは、売却側と買収側との交渉によってのみ成功します。交渉の積み上げは貴重なプロセスであり、大筋で条件合意が形成された時に取り交わすのが基本合意書です。基本合意書には法的拘束力はありませんが、その内容には重みがあるといえるでしょう。

しかし、特段の理由もなく、その後の最終交渉において、どちらかが条件の大幅変更を求めた場合、それは基本合意を踏みにじる行為です。そのような不誠実な態度では、相手側から破談を申し入れられM&Aは成功しないでしょう。

以下の動画では、M&Aを成約できなかった売却側企業について解説しています。ご参考までご覧ください。

M&A売却側の失敗要因

M&Aには売却側と買収側がいます。同じM&Aの失敗でも、売却側と買収側では、その要因は異なるものです。ここでは、M&Aの売却側の失敗要因として以下のものを取りあげます。

  • 株主・役員間の意思不一致
  • 株主名簿の未整備(株券管理の不行き届き)
  • 議事録の欠如
  • 情報漏えい
  • 買収側に主導権を取られる
  • 不誠実な対応
  • 簿外債務の発覚
  • 脈絡のない条件変更
  • M&A交渉中の業績悪化

M&Aの売却側における、それぞれの失敗要因の内容を説明します。

株主・役員間の意思不一致

M&Aの売却側において、株主と役員間の意思の不一致は失敗要因です。これには以下のように複数のケースがあります。

  • 株主と株主ではない役員との意思が不一致
  • オーナー経営者が全株式を所有しているが事業責任者の役員と意思が不一致
  • 複数の株主がいて役員ではない株主と役員である株主との意思が不一致

これらの状況がM&Aの交渉過程で明るみになった場合、買収側からは敬遠されるでしょう。

株主名簿の未整備(株券管理の不行き届き)

株式会社では株主名簿を管理するのは通常のことです。しかし、M&Aの売却側に少数株主がいて、その所在や連絡方法が整備されていないと、その株式を買収するためには特別な手続きが必要となる場合があり、手続きの煩雑さを嫌う買収側もいるでしょう。

また、売却側が株券発行会社の場合、買収側に株券を引渡さなくてはなりません。株券の管理が行き届いていないと、その所在を探すといった事態となり余計な時間がかかります。その間、M&A交渉は中断するため、失敗要因になりかねません。

議事録の欠如

議事録の中でも、株主総会議事録と取締役会議事録の作成は、会社法で義務付けられています。したがって、M&A交渉の際の開示書類の一部として、買収側から提示を求められるでしょう。

しかし、非上場の中小企業では、それらの議事録を作成・保管していないケースがあるのも事実です。議事録の開示を要求された際に、欠如が判明すれば著しく信用を失うこととなり、M&Aの失敗要因になります。

情報漏えい

M&Aでは、基本合意書取り交わしの段階で公表する事例もありますが、基本的には最終契約書締結後に情報を公表します。したがって、M&A交渉の過程で情報漏えいがあった場合、それはM&Aの失敗要因となるでしょう。

経営者が情報を漏らすことはないでしょうが、M&Aに関わる従業員から情報が漏れないよう注意しなければなりません。

以下の動画では、情報漏えいと秘密保持契約書について解説しています。ご参考までご覧ください。

買収側に主導権を取られる

例えば、売却側が後継者不在であったり、資金繰りが厳しかったりなどを理由にM&Aを行おうとするとき、交渉において買収側に対しへりくだってしまいがちです。

そうなると交渉の主導権を買収側に握られてしまいます。M&Aの条件面も買収側に有利なものとなってしまうでしょう。それではいくらM&Aが成約できたといっても、成功したとはいえません。

不誠実な対応

M&A交渉において、不誠実な対応は失敗要因となりかねません。気をつけたいのは、売却側にそんなつもりはなくても、買収側から見れば不誠実と判断されてしまう可能性があることです。

M&Aに不慣れな売却側であれば、買収側に要望された開示資料がすぐに用意できないかもしれません。迅速ではない対応は、不誠実と受け止められる可能性があります。資料の準備については、M&Aアドバイザーに確認し、事前の準備を怠らないようにしましょう。

簿外債務の発覚

簿外債務は、M&A成功の前に立ちはだかる大きな失敗要因になりかねないものです。まず、故意の簿外債務は、デューデリジェンス(売却側の経営状態の調査)で発覚すれば、即、破談でしょう。

また、過失であれば許されるという代物でもありません。それは、簿外債務がM&A後に発覚した場合、内容によっては買収側が大きな経営ダメージを受ける可能性があるためです。簿外債務とは具体的に何であるかを確認し、そのような債務を持たないようにしましょう。

脈絡のない条件変更

M&A交渉が合意に近づいている段階で、売却側が突然、条件変更を申し出れば、交渉が暗礁に乗り上げ失敗につながりかねません。買収側にとっては、これまでの企業価値評価(バリュエーション)や交渉に費やした時間が全て無駄になってしまうからです。

この失敗要因は、ワンマン経営色の強い売却側において、別の買い手候補が現れ欲をかくといったケースで起こることがあります。

M&A交渉中の業績悪化

中小企業のM&Aは、短ければ3カ月程度で成約することもありますが、一般的には半年から1年程度です。したがって、長ければ年度をまたぐことになり、新たな決算成績が出てしまいます。

M&Aを行おうとする売却側の場合、前年度の決算成績を良くしようとした結果、今期はそのひずみで成績が落ち込むことがあるでしょう。M&A交渉中に今期決算を迎える可能性があることも、意識しておく必要があります。

以下の動画では、M&Aで売れる会社と売れない会社の違いを解説しています。ご参考までご覧ください。

M&A買収側の失敗要因

ここでは、M&Aの買収側における失敗要因を確認しましょう。M&Aの買収側として考えられる失敗要因には、以下のようなものがあります。

  • 従業員の退職
  • デューデリジェンス不足
  • 買収企業の選び方
  • 買収後の経営管理不足
  • 不十分なM&A戦略
  • 不適格なM&Aアドバイザーの起用
  • 簿外債務の見落とし
  • 理論的ではない買収額の決定
  • M&Aアドバイザーへの丸投げ
  • M&Aの経験不足
  • PMIの不首尾

M&Aの買収側における、それぞれの失敗要因の内容を説明します。

従業員の退職

特に合併、会社分割、事業譲渡などのM&Aスキームの場合、売却側の従業員は買収側に転籍することになります。売却側従業員としては、企業風土や業務システムの違いなど労働環境の突然の変化に戸惑うことも多々あるでしょう。

この従業員の戸惑い感を放置していると、モチベーションの低下を招き退職を選択するケースもあります。退職者が大勢出たり、主要スタッフが退職したりした場合、その後の事業運営への障害となるでしょう。

デューデリジェンス不足

デューデリジェンスとは、売却側企業の経営状況を調査することです。士業の専門家を起用し、それぞれの専門分野について細かく調べます。

デューデリジェンスを行う以前の交渉過程においても、売却側から情報開示を受けていますが、それぞれの情報は確かなものか、開示されていない情報はないか徹底的に調べるのが常です。

しかし、中小企業のM&Aでは、デューデリジェンスの費用や期間を節約するケースがあります。その場合、デューデリジェンスが不十分となり、正確な企業価値評価ができなかったり、問題点を見抜けなかったりなどの事態となるでしょう。

以下の動画では、デューデリジェンスの種類を解説しています。ご参考までご覧ください。

買収企業の選び方

M&Aの実施を決めても、なかなか交渉相手が見つからないことがあります。そのような場合に注意したいのが、売却側企業の選び方です。すぐに複数の候補が見つかるような場合は、じっくりと検討して選べるでしょう。

しかし、交渉相手候補がなかなか現れない状況では焦りが生じてしまい、条件を下げて相手探しを行ってしまうことがあります。条件を変えて相手を選ぶのは本末転倒です。M&Aの実施が目的化してしまうと、それは失敗要因になります。

買収後の経営管理不足

株式譲渡や株式交換など売却側を子会社化するM&Aスキームを実施した場合に起こりやすい失敗の要因として、買収後の経営管理不足があります。子会社化するM&Aスキームでは、売却側に一定の独立性が保たれているため、従来の経営陣にそのまま経営を任せることも多いです。

しかし、それでは経営の改善も行われず、業績も変わらないでしょう。買収側は企業グループの親会社として子会社の経営管理システムを構築し、グループ企業との協業が円滑に行われ業績向上が実現するよう経営をリードしなければなりません。

不十分なM&A戦略

M&Aには、それぞれの企業の事情に応じた目的があります。その目的を実現するために、十分に練ったM&A戦略が必要です。逆にいえば、明確な目的とそれに合わせたM&A戦略が策定されていない場合、M&Aの失敗要因となるでしょう。

M&A戦略の一例としては、売却側に求める企業像の設定があります。どのようなシナジー効果が得られる企業をターゲットとするか、目的が複数ある場合は、どのような優先順位をつけるかなどの戦略が定まっていないと、相手選びさえ、おぼつかなくなるでしょう。

不適格なM&Aアドバイザーの起用

M&Aアドバイザーには、それぞれ特徴があります。具体的には以下のとおりです。

  • 大企業のM&Aが専門
  • 中堅・中小企業のM&Aが専門
  • 個人事業主を含めた小規模事業者・中小企業が専門
  • 特定の業種に特化
  • 特定の地域に特化
  • 全国対応可能

また、専業のM&A仲介会社だけでなく、金融機関、士業事務所、FA(ファイナンシャルアドバイザー)、経営コンサルタントなどもM&A仲介業を行っています。自社のM&Aを任せるには、どのタイプのM&Aアドバイザーが適しているのかよく検討して選ぶことです。

簿外債務の見落とし

売却側の簿外債務の見落としは、買収側にとってM&Aの失敗要因です。簿外債務とは、具体的に以下のいずれかを指します。

  • 賞与引当金
  • 退職給付引当金
  • 未払い残業代
  • 未払い社会保険
  • リース債務
  • 買掛金
  • 債務保証
  • 訴訟リスク(損害賠償金支払いリスク)

これらを売却側自身も債務として認識していないことが多くあり、注意が必要です。万が一、M&A後に発覚し、その規模が多額の場合には経営に大きな負担が生じるでしょう。これを予防するには、財務面と法務面のデューデリジェンスを徹底的に行うしかありません。

理論的ではない買収額の決定

売却側が参入障壁の高い業種であったり、特殊な許認可や知的財産権を所有していたりする場合、M&A後の業績向上に期待し過ぎて買収額を高値にしてしまうケースがあります。

思惑どおりの業績になれば問題ありませんが、そうならない場合、のれんの減損損失処理をしなければならなくなると、明らかにそのM&Aは失敗です。

また逆に、売却側の弱みに乗じて安く買いたたこうとすると、売却側の反発を招きM&A交渉はまとまらないでしょう。

M&Aアドバイザーへの丸投げ

M&Aの各プロセスは、専門的な経験や知識が求められるものばかりです。だからといって、M&Aアドバイザーに丸投げしてしまっては、自社の目的に適した相手企業を選べているかどうかといった疑いの余地があります。

M&Aを進めるうえでM&Aアドバイザーのサポートや助言は欠かせないものですが、そのうえで決断するのは、あくまでも自社が行うことです。

M&Aの経験不足

M&Aの経験が不足しているにもかかわらず、M&Aアドバイザーにあまり相談もせずに自社で話をどんどん進めてしまうのも考え物です。特に不動産業のような高額商品を売買するような業種の場合、高額売買に慣れているため、その延長線上でM&Aを考えてしまう傾向があります。

M&AにはM&A特有の専門性があるため、経験不足を認識しM&Aアドバイザーから随時サポートを受けるのが肝要です。

PMIの不首尾

PMI(Post Merger Integration)とは、経営統合プロセスです。M&A後、買収側では必ずPMIを実施する必要があります。PMIで統合するものを大別すると、マネジメント、業務、意識の3種類です。

PMIが円滑に進まない場合、M&A実施時に想定した事業計画の遂行は望めないでしょう。その場合、M&Aは失敗となります。

以下の動画では、実際に買収側としてM&Aを実施してきた企業の経営者が、失敗談も含めM&A成功のポイントを解説しています。ご参考までご覧ください。

M&Aで失敗しないための対処法

M&Aで失敗しないための対処法は、売却側・買収側共通の対処法と買収側特有の対処法に分かれます。ここでは、それらをまとめて以下の対処法を確認しましょう。

  • M&Aの目的に応じた戦略の策定
  • 適切なM&A取引相手の選択
  • 適切な企業価値評価(バリュエーション)の実施
  • デューデリジェンスの徹底
  • 実効性のあるPMI計画策定に注力
  • 自社に適したM&Aアドバイザーの起用

それぞれの対処法の内容を説明します。

M&Aの目的に応じた戦略の策定

M&Aを成功させるには、初期の準備段階におけるM&A戦略の策定が欠かせない対処法です。そして、この戦略は、M&Aの目的に合致したものでなければなりません。したがって、戦略を立てるためには、M&Aの目的が明確化されていることも必要です。

また、M&Aの目的は複数あることも多いため、その場合は、各目的にプライオリティをつけます。その理由は、目的の優先順位がはっきりしていないと、戦略の策定、そして、後日の交渉にも影響するからです。

戦略例

ここでは、M&Aの買収側における経営戦略の例を紹介します。まずは、既存事業を拡大するためのM&A戦略例です。

  • 事業エリア拡大戦略
  • ロールアップ戦略
  • 水平統合型M&A戦略

次に、自社の主力事業の関連事業分野を買収する場合のM&A戦略例です。

  • バリューチェーン拡大戦略(垂直統合型M&A戦略)
  • 製品ラインナップ拡充戦略

最後に、新規事業へ進出する場合のM&A戦略例です。

  • コングロマリット化戦略
  • 事業ポートフォリオ転換戦略

以下の動画では、M&A検討段階における準備に関して解説しています。ご参考までご覧ください。

適切なM&A取引相手の選択

適切なM&A取引相手を選ぶことは、売却側・買収側共通のM&Aを失敗しないための対処法です。M&Aの取引相手選定においては、対処法として以下4点のポイントがあります。

  • 売却・買収ニーズの確認
  • シナジー効果の検討
  • 財務状況の評価
  • M&A実現化の評価

それぞれの対処法の内容を説明します。

売却・買収ニーズの確認

M&Aの買収側であれば相手方の売却ニーズ、売却側であれば相手方の買収ニーズの高さがどれほどのものか推定・確認することは、適切な取引相手を選ぶうえで欠かせない対処法の1つです。

それぞれのニーズが、自社のニーズと親和性が高いかどうかも検討ポイントになります。また、相手方のニーズを推し測る際には、M&Aアドバイザーからの情報・助言が欠かせません。

シナジー効果の検討

M&Aの実施後、売却側と買収側において、どのようなシナジー効果が得られ、どの程度の効果を発揮するかシミュレーションし評価することも、適切なM&A取引相手を選ぶうえで欠かせない対処法です。

シナジー効果の評価は買収側が行うものと思われがちですが、売却側においてもそれを行うことで、M&A交渉が成立しやすい相手を選ぶ有力な手段となります。

以下の動画では、M&A後のシナジー効果について解説しています。ご参考までご覧ください。

財務状況の評価

M&Aにおける財務状況の評価は、主として買収側における適切なM&A取引相手を選ぶための対処法といえます。売却側の純資産額や債務の内容およびバランスは細かく確認したうえで、相手を選択しなくてはいけません。これは、業績の評価と同様に重要です。

また、売却側においても買収側の財務状況は確認しておくべきでしょう。資産規模とM&A規模は釣り合いが取れているか、資金力はどの程度かなどは、M&A後、売却側が事業を継続・安定化させていくうえで重要な情報です。

M&A実現化の評価

M&Aが実現する可能性を評価(シミュレーション)することも、適切なM&A取引相手を選ぶうえで欠かせない対処法です。これは端的に、売却側でいえば、売却側が望む条件やM&A対価を支払える能力のある買収側であるかどうか評価します。

一方、買収側でいえば、売却側はオーナー経営者に決定権が集約されているか(複数株主がいて、その中でM&Aに反対する株主はいないか)、売却側は買収側の予算内で買収できる規模の企業かといった評価です。

以下の動画では、M&Aに向いている会社の特徴を解説しています。ご参考までご覧ください。

適切な企業価値評価(バリュエーション)の実施

企業価値評価は、M&Aに欠かせないプロセスです。企業価値評価を適切に実施することは、M&Aを失敗しないための売却側・買収側共通の対処法になります。

M&Aのプロセスにおいて、売却側・買収側は、それぞれ独自に売却側の企業価値評価を行い、その結果を基にしてM&Aの取引希望額を決める流れです。

企業価値評価では、金融経済学の理論に基づいた専門の算定方法が用いられます。数多くある企業価値の算定方法は3種類の体系に分類され、それぞれの呼称は以下のとおりです。

  • コストアプローチ
  • インカムアプローチ
  • マーケットアプローチ

各企業価値算定方法の概要を説明します。

コストアプローチ

コストアプローチとは、対象企業の純資産額を株式価値として企業価値を算定します。一連の計算の流れは以下のとおりです。

  1. 資産総額-負債総額=純資産額=株式価値(非上場企業の場合)
  2. 株式価値=時価総額=発行済み株式数×株式市場の株価(上場企業の場合)
  3. 株式価値+有利子負債総額=企業価値

純資産額は、過去の資産取得時の価値を示すものです。時価純資産額であれば、現在の価値を示します。しかし、どちらも将来の価値や企業の収益力に対する評価を行っていません。その点で、あまりM&Aには適さないといえるでしょう。

インカムアプローチ

インカムアプローチとは、対象企業の中期計画をベースにした将来の収益予測から事業価値を算出し、そこから企業価値を算定します。事業価値から企業価値を計算する方法は以下のとおりです。

  • 事業価値+非事業用資産総額=企業価値

対象企業の将来の収益力を評価する方法は、M&Aに適した企業価値評価方法だといえます。ただし、事業計画の予測の正しさと、そもそも事業計画自体に作成者のバイアスがかかっていないかの検証を行うことが必要です。

マーケットアプローチ

マーケットアプローチは、M&Aの対象企業とビジネスモデル・事業規模が類似する上場企業を複数探して、それらの財務数値を参照して対象企業の事業価値を算出します。事業価値から企業価値を算定する方法はインカムアプローチと同じです。

上場企業の公表されている数値情報を用いるため、客観性と信頼性がおける方法といえるでしょう。ただし、M&Aの対象企業が非上場の中小企業の場合、類似する上場企業探しそのものが難しいです。見つからなければ算定自体ができません。

以下の動画では、企業価値評価の3種類の体系それぞれの解説をしています。ご参考までご覧ください。

以下の動画では、企業評価レポートの解説をしています。ご参考までご覧ください。

デューデリジェンスの徹底

M&Aの買収側にとってM&Aを成功させるためには、デューデリジェンスの徹底は必須の対処法です。デューデリジェンスの徹底にあたっては、以下の3つの目的を達成しなければなりません。

  • 簿外債務の有無の調査、簿外債務がある場合にはその内容の明白化
  • 企業価値評価のための必要データ収集
  • PMI計画策定のための必要情報収集

以下の動画では、デューデリジェンスの解説をしています。ご参考までご覧ください。

実効性のあるPMI計画策定に注力

M&Aの買収側において、PMI(経営統合プロセス)を成功させることはM&Aの成功を意味します。PMIを成功させるためには、実効性のあるPMI計画を策定しなければなりません。

そのため、PMI計画策定プロジェクトチームを発足させ、クロージング(M&Aの契約内容履行日)までにPMI計画を策定し終えておく必要があります。プロジェクトは、デューデリジェンス時に並行して始動させるのが一般的です。

計画策定に不安がある場合には、M&Aアドバイザーのサポートを受けましょう。

自社に適したM&Aアドバイザーの起用

M&Aアドバイザーには、さまざまなタイプ・特徴があります。また、M&A仲介会社以外にもM&A仲介業を行う機関・会社も多いのが実情です。その中から、自社に適したM&Aアドバイザーを選ぶ必要があります。

多くのM&Aアドバイザーは、M&Aの事前相談を無料で受け付けています。その無料相談を活用し、複数のM&Aアドバイザーと話をして比較検討すると、自社に適したM&Aアドバイザーを選びやすいでしょう。

以下の動画では、良いM&Aアドバイザーの見極め方を解説しています。ご参考までご覧ください。

M&A失敗事例まとめ

統計や事例によれば、M&Aは決して低くない比率で失敗していることがわかります。M&A実施にあたっては、その失敗側にはなりたくないものです。M&Aにはさまざまな失敗要因があります。しかし、それぞれの対処法もわかっており悲観する必要はありません。

そして、M&Aの成功確率を少しでも上げるためには、自社に適したM&Aアドバイザーのサポートを受けながらM&Aを進めるのがおすすめです。

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